咬合異状と歯ぎしり

咬合(こうごう)とは

歯には、咬頭(こうとう)と言われる「山」や、裂溝(れっこう)と言われる「谷」があり、それぞれ上下の歯の咬頭(山)と裂溝(谷)で咬み合うようにできています。
さらに前歯から奥歯まで弧を描いて規則的に並んでいることにより、顎の中でさまざまな角度や位置を調整しつつ、お互いの歯との関係を保ちながら咬み合っています。
これが、最近、テレビや新聞などのメディアで取り上げられることの多くなった、いわゆる「咬み合わせ」と言われるもので、解剖学的には、この咬み合っている状態を「咬合」(こうごう)といいます。

「咬み合う」ということ 参照LinkIcon

咬合異状(こうごういじょう)とは

規則的な咬合関係が、1ヶ所でも崩れている状態を「咬合異状」といいます。
見た目だけでなく、咬む力がほんのわずかに偏っているような場合でも、咬合異状であると言えます。
ですから、一見きれいに並んでいるように見える歯にも、ほとんどの場合に、咬合異状がみられます。

「咬合」と「歯並び」のちがい

解剖学的に咬み合う状態を「咬合」(こうごう)というのに対して、「歯並び」とは、見た目の並び方であって、咬み合わせの状態までは含まれません。
「歯並びが良い」もしくは「歯並びが良くない」ということと、「咬み合う」「咬み合わない」ということは、まったく違うものなのです。

上の項目で説明したように、見た目の歯並びがどんなに良くても、咬合の異状は起こり得ます。
歯並びの異常というものは、実は、咬合の異状の中に含まれているのです。

異常と異状のちがいは・・
異常 : 常にある状態とは違ったことになること。対義語は「正常」。
異状 : 状態が異なること。許容範囲を超えること。

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歯ぎしりとは

歯ぎしりとは主に、寝ている間に、上下の歯を強く噛みしめることを言います。
音の出る「ブラキシズム」という歯ぎしりと、音の出ない「クレンチング」という歯ぎしりに分けられます。
歯ぎしりはストレスが原因であると言われていますが、実際のところは、脳が顎偏位(アゴの偏り)や咬合の異状を修復するために、睡眠中に自分で調整をしている、いわば「自動削合システム」であると言えます。

「歯ぎしりはサバイバルシステム」 参照LinkIcon

咬合異状の原因

咬合異状の原因として挙げられるのは、次の2つです。
・歯牙欠損(しがけっそん)
・顎偏位症(がくへんいしょう)

それぞれの項目については、「疾患の話」の中の他のページで説明しておりますので、参考になさってください。

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咬合異状が誘発する疾患

咬合異状が誘発すると考えられる疾患は、以下のようなものが挙げられます。
・う蝕(虫歯)
・歯周病
・歯ぎしり
・顎偏位症
・顎関節症
・頭痛や肩こりなどの頭頚部不定愁訴

「疾患の話」の中の他のページも参考になさってください。

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咬合異状(こうごういじょう)と顎偏位(がくへんい)の関係

咬合異状は、咬み合わせの偏りを伴い、顎位の偏位(アゴの位置の偏り)を誘発します。逆に、顎偏位から咬合異状を引き起こすこともあります。
顎位の偏位にはさまざまなパターンがあり、未だに確立した分類はされていませんが、日々の診療の中でよく見られるケースは、以下の5つのパターンです。

1.前歯部の早期接触による下顎骨の後方偏位

咬み合わせようとすると前歯が一番最初に咬み合ってしまうため、下のアゴの骨が後ろに下がってしまう。

2.上顎臼歯の頬側転位による咬頭干渉

上顎の奥歯が外側にねじれているため、歯の山が最初に当たってアゴがズレてしまう。

3.最後方臼歯の早期接触による開口

一番奥の歯が、咬み合わせようとすると先に当たってしまうため、口が閉じない。

4.臼歯の鋏状咬合による下顎骨の側方偏位

奥歯がいわゆる「歯並びの良くない状態」でガタガタしているため、咬み合わせると下顎の骨がズレてしまう。

5.側切歯の反対咬合による顎運動制限

糸切り歯が八重歯になっていたりすると、アゴの動く範囲が狭くなるために顎の位置のズレが起こる。

・気になる症状のあるかたは、ご相談ください。
・咬合異状や歯ぎしりは、これ!という決定的な治療法が確立されていません。ですが、ある程度、症状を軽くすることはできます。詳しくは歯科医師にお尋ねください。