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口呼吸を治そう!(あいうべ体操)

最近、口で息をする人が増えてきています。
ふと気づくと口をポカンと開けている人、風邪をひきやすい人、姿勢が悪い人、イビキをかく人…こんな人は、口で息をしているのかもしれません。

口で息をすることを「口呼吸」といいます。読み方は「こうこきゅう」です。「くちこきゅう」と呼ぶ人もいますが、ゆう歯科クリニックでは「こうこきゅう」で統一しています。
「口呼吸」に対して、鼻で息をすることを「鼻呼吸」(びこきゅう)といいます。

1.なぜ口呼吸になるの?
「口呼吸」になる原因は、以下のようなことが考えられます。

鼻呼吸ができない
花粉症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などの鼻の病気により鼻がつまり「鼻呼吸」がしづらいために「口呼吸」になってしまう。

肥満
肥満により脂肪が増えると、顎のまわりや、首、喉の中、舌にまで脂肪が付いて太くなっていきます。そのため気道が圧迫されて狭くなるので「口呼吸」になりやすいのです。
また、肥満によってイビキをかきやすくなることがありますが、イビキをかいているときは「口呼吸」になっています。

歯並びに問題がある
歯並びがよくないために口が閉じない人は、口のまわりの筋肉が弱くなり「口呼吸」になりやすくなります。

口呼吸が癖になっている
「鼻呼吸」よりも「口呼吸」がラクだからという理由で「口呼吸」をしている人もいます。

2.口呼吸によって起こること
口呼吸は、以下のようなさまざまな問題を引き起こします。

からだ全体の不調の原因になります

「鼻呼吸」は「鼻」が空気とともに身体に異物が入り込むのを未然に防ぐ、フィルターの役目を果たしてくれます。いわば、空気清浄器のようなものです。
それに対して「口呼吸」は「口」で空気を吸い込むときに、外気に混じっているダニ、カビ、ハウスダスト、細菌、ウィルスなどがそのまま肺の中に入ってしまい、免疫に対する抵抗力が弱まり、病気の原因になったり、さまざまな感染症を引き起こしたりします。

「口呼吸」は「鼻呼吸」に比べて、呼吸が浅くなります。酸素交換率が20~30%も減少するのです。
これにより、脳への酸素が不足して、片頭痛、肩こり、自律神経失調、睡眠不足などの原因になることもあります。
また、脳への酸素不足は、身体の成長にも大きく影響を及ぼすと言われています。

虫歯や歯周病の原因になります

どんな人でも、お口の中では細菌が活動しています。唾液による自浄作用のおかげで細菌の活動が抑えられているため、お口の中が健康な状態に保たれているのです。
しかし「口呼吸」をしているとお口の中の唾液がすぐに乾いてしまうので、細菌の活動が活発になり、虫歯や歯周病を引き起こしたり、すでにある虫歯や歯周病を悪化させてしまいます。
朝起きたときに喉がカラカラになっていたり、歯磨きをしているのに口臭がするような人は、寝ている間に「口呼吸」をしているのかもしれません。

歯並びが悪くなります

本来、口の中での正しい舌の位置は、舌の先が上の前歯の裏に付いている状態です。
それに対して「口呼吸」をしている人は、舌の先が下の前歯の裏に付いていたり、舌が下の歯の上に乗ってしまっています。
ふだん私たちの口の中は、上の前歯の裏に当たった舌が、内側から歯を押しだそうとします。
それを、口を閉じることによって外側へ歯が出過ぎないように、口のまわりの筋肉がサポートをしています。
舌と口のまわりの筋肉との、バランスの取れた力関係が、歯並びを支えているのです。
「口呼吸」では、口が開いた状態が長く続くわけですから、このバランスが崩れて歯並びが悪くなるのです。

睡眠時無呼吸症候群の原因になります

「口呼吸」をしている人は、イビキをかきやすくなります。口を開けていることにより、舌の位置が喉の奥に下がってしまうため、気道が圧迫されてイビキをかくのです。
また、イビキをかいている間に呼吸が何度も止まる「睡眠時無呼吸症候群」の症状が出ているケースも多くみられます。
この病気は呼吸が止まるわけですから、症状が出ているのにもかかわらず放置しておくと、たいへん危険です。

頭がぼーっとします

「鼻呼吸」は空気が鼻を通ることにより、適度に冷やされた空気が脳に届くため、脳を直接的に冷やすことができます。「鼻呼吸」をすると気持ちが落ち着き、頭がスッキリと冴えてくるのです。
それに対して「口呼吸」は、脳に温かい空気が届くので、脳が温まり、頭がぼーっとしてしまいます。

3.治したい!口呼吸
口呼吸を治すためには、口のまわりの筋肉と舌の筋肉を鍛えることが有効です。
具体的な方法として、ゆう歯科クリニックでは「あいうべ体操」をおすすめしています。

「あいうべ体操」とは、福岡県福岡市の「みらいクリニック」院長である今井一彰先生が提唱されているもので、口のまわりや舌を動かすことによってその筋肉を鍛え、「口呼吸」の改善を目的としたものです。
体操といっても体を動かしたり、着替えをする必要はなく、いつでも、どこでも、誰でもできる、簡単なものです。

4.「あいうべ体操」をしてみよう
次の4つの動作を順にくり返します。声は出しても出さなくてもかまいません。

「あー」と口を大きく丸く開きます

口を縦型の楕円形に開くようなイメージで
喉の奥が見えるように大きく開けましょう

舌を支える筋肉、唇の周りの筋肉、口を開ける時の筋肉を鍛えます

「いー」と口を横に引き伸ばします

前歯を見せ、頬の筋肉を耳に寄せるように
横にグーッと開きます
(歯は噛みしめないで)

首の筋肉、エクボを作る筋肉、口角からこめかみに繋がる筋肉を鍛えます

「うー」とくちびるを前に突き出します

くちびるを思いっきりとがらせて
前の方へしっかり突き出します

口を閉じたり、とがらせたりする時に使う筋肉を鍛えます
*「飲み込み」や「食べこぼし防止」の向上につながります

「べー」と舌を突き出して下に伸ばします

舌を根元からベーッと突き出して
さらにアゴに付けるように下の方へ伸ばします

舌の筋肉を鍛えます
*「食塊の形成」「食塊の送り込み」「飲み込み」の向上につながります

「あいうべ」体操は、「あー」「いー」「うー」「べー」を1セットとして、1日30セットを目安に行います。
慣れるまでは一度にしないで、1日2~3回にわけて、少しずつ行ったほうがよいでしょう。

5.注意していただきたいこと
◆「あいうべ体操」は口をしっかり大きく動かすので、思ったよりも口のまわりの筋肉が疲れます。くれぐれも無理はしないようにしてください。
1日30セットをするのが難しいかたは、回数を減らしてみましょう。回数が少なくても効果はあります。数をこなすことよりも、毎日 続けることのほうが大切です。

◆顎を開けると痛みが出るときや、顎関節症の人は、回数を減らすか、「いー」「うー」のみを繰り返してください。この「いーうー体操」は顎の関節に負担がかからないため、何度行ってもかまいません。

◆お子さんの場合、飽きたり嫌になったりすることがあります。お子さんが嫌がる時は無理にすすめないでください。おうちのかたも一緒に行うなど、リラックスして、楽しみながらできるといいですね。

2015.02.19更新
2022.03.10修正

ゆう歯科クリニックのスタッフは、お子さんからご高齢のかたまで皆さんが一生涯にわたり「おいしく食べられる元気なお口」でいられるよう、心を込めてサポートさせていただきます。
患者さんの笑顔が私たちの元気のもとです!

「あいうべ体操」を考案された
今井一彰先生が院長をなさいます
みらいクリニック のサイトはこちら

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使用許可をいただきました
ありがとうございます